ペットから水虫が感染することも!あなたのペットは大丈夫?
動物の毛を好んで住み着いている白癬菌がいます。昔は輸入された血統書付きの動物だけが持つ菌でしたが、今はどの動物が持っていても不思議ではなくなりました。ペットが持っている白癬菌はうつりやすく、特徴がはっきりしています。
ペットに住み着く白癬菌の正体は?
白癬菌のほとんどは、動物の住処のそばの土壌に住んでいる土壌好性菌です。犬小屋などの近くの土壌に住んでいて、土に混ざった動物の毛を餌にしています。
そんな土壌好性菌の一部が進化して、動物の毛に直接住み着くようになりました。それがミクロスポルム・カニスなどの動物好性菌です。
ミクロスポルム・カニスはもともとは日本には生息していない白癬菌でした。日本に入ってきたのは1960年代、外国から血統書付きのペットが輸入されるようになってからです。
日本に入ってきた当初は、高い血統書付きの動物をかえるお金持ち特有の病気だったわけです。
しかし、ペットブームが起こりペットショップを舞台にミクロスポルム・カニスはペットからペットへと広がっていきました。
飼い主の中には、残念なことに無責任に動物を捨ててしまう人がいます。捨てられた動物は野良猫や野良犬と接することで、ペットショップの外の動物にもミクロポルム・カニスを広げていきました。
いまや、日本中のどの動物がミクロポルム・カニスを持っていても不思議ではなくなってしまったのです。
ペットからうつる水虫の症状は?
ペットがミクロポルス・カニスに感染していても、ペット自体はそれほど強い症状は現れません。しかし、ひとたび人に感染すると、瞬く間に強いかゆみや炎症を引き起こします。
白癬菌は感染するまでに24時間ほどかかりますが、ミクロポルス・カニスは比較的早く感染します。
感染初期は、小さな赤いつぶつぶの湿疹ができます。とても水虫とは思えない症状です。また、ペットとのスキンシップでうつることもあるので、足の裏にできるとも限りません。赤い斑点はかゆみを伴ってだんだんと拡がって行きます。
ペットからうつる白癬菌に感染してしまったら?
ミクロポルム・カニスに感染していると思わず、湿疹用の薬をつけていると症状が悪化してしまいます。「怪しいな」と思ったら、皮膚科に行きましょう。診察の際には、「ペットを飼っている」ということをお医者さんに伝えましょう。
ミクロポルム・カニスに感染していることが分かったら、治療はペットと一緒に勧めることになります。
人間は皮膚科のお医者さんに、ペットは獣医さんに診てもらうことになります。
ペットが水虫にかからないためにできること
大切なペットがミクロポルム・カニスに感染しないようにするにはどうしたらよいでしょう。すでにペットショップで感染してしまっていたら、あきらめて獣医さんに通って治療するしかありません。
まだ感染していないのなら、飼い主がミクロポルム・カニスからかわいいペットを守ってあげなければなりません。
飼い主さんは、次のポイントを守ってください。
- 他の動物とできるだけ触れ合わないようにする
- ネコは家の外に出さない
- 散歩には服を着せて行く
- 散歩から帰ったらシャワーをするもしくは体をふく
- 床掃除をまめに行う
大切なペットとは、いつまでも健康で仲良く暮らしたいものですね。