爪の構造と爪水虫
爪水虫に悩んでいる皆さんは、白癬菌がどうやって爪の中に入り込んでいると思いますか?その謎を解く前にまず、爪がどんな構造をしているのか見てみましょう。
爪の構造
爪は身体の先端にある、飾りのようなものだと思われがちです。ところが爪は身体にとってとても大切な機能を果たしています。
手の爪は、指先が細かい操作をするときに重要な役割を果たします。爪水虫に最もかかりやすい足の親指の爪は、歩くときにセンサーの役割をしています。何かの拍子に足の親指の爪をはがした経験がある人はよく分かると思いますが、足の親指の爪がはがれてしまうと上手に歩くことができなくなります。
そんな、小さいけれど重要は存在である爪は8つの構造体からできています。
- 爪先(そうせん・フリーエッジ):指先に触れていない白い部分。
- 横線(イエローライン):爪床と爪先の境目の部分。医学用語ではなく、ネイルアートでよく使われる言葉。
- 爪甲(そうこう・ネイルプレート):爪全体を指す。
- 爪半月(そうはんげつ・ヌルーラ):爪甲の根元にある半月の部分。できて間もない爪で、水分が多く柔らかい。
- 爪上皮(そうじょうひ・キューティクル):爪の根元にある柔らかい皮。甘皮ともいう。
- 爪根(そうこん・ネイルルート):皮膚の下にある爪の根元部分。
- 爪床(そうしょう・ネイルベッド):爪甲の裏側にあり、皮膚に密着している薄いピンク色の皮膚。
- 爪母(そうぼ・マトリックス):爪の根元にある、爪を新しく作るところ。
爪の成分
爪はとても固いものですが、一体何でできているのでしょう。骨の一部なのでしょうか?
いいえ、爪は皮膚の一部です。
爪は皮膚の上部にある角質層と同じ「ケラチン」でできています。ケラチンは核を持たない死んだ細胞のかたまりです。固い亀の甲羅のように、外界の有害物から身体をも守る働きをしています。
実は、ケラチンは水虫をつくる原因である白癬菌の大好物なのです。
足の裏や指の間に積みついた白癬菌は、自分の住処を広げようといつもチャンスを狙っています。いつの間にか足の指の先端に到達した白癬菌は、爪の間や表面から爪の中に入り込みます。
白癬菌が最もいごごちの良い場所は爪甲の下の部分です。爪甲の下はとても柔らかく、水分も多くて白癬菌が住みやすいのです。
爪の上部は固く、油分があります。治療薬を塗っても爪の表面の油分がはじいてしまいますし、固いケラチンのなかに薬剤がしみ込みにくく、治療を困難にしています。
爪水虫の治療は、
- 薬剤を爪の内部まで浸透させ、白癬菌をやっつける
- 新しい爪が生えるまでの間(1年以上)白癬菌から爪を守る
- 新しい健康な爪が生えるのをサポートする
という3本柱で進める必要があります。
ただ、残念なことに爪の内部に浸透する薬はまだまだ数少ないのが現状です。
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