水虫がかゆくなる理由
水虫はかゆいですね。いつまでも続く耐えられないかゆみは、水虫菌が皮膚の中で暴れまわっているからでしょうか？実は、かゆみを引き起こしているのは水虫の原因菌である白癬菌事態ではないのです。私たちの身体に備わっている免疫機能が水虫菌と闘うときにかゆみが起こるのです。
白癬菌はかゆみをおこさない？
水虫の症状を起こしているのは、白癬菌というカビの一種です。白癬菌に感染している人は、50代以上になると3人に１人に昇ります。
白癬菌に感染している人は、誰でも人に白癬菌をうつす可能性があります。新陳代謝によって古くなり、剥がれ落ちた目に見えない皮膚のかけらに白癬菌が混じっているからです。
白癬菌に感染している人で、自覚症状がない人はとてもたくさんいます。家族に水虫患者さんがいる人は、10代の内にすでに水虫にかかっていることが多いのです。
ただ、白癬菌に感染したからと言ってすぐにかゆみが起こるわけではありません。中には、白癬菌に感染しながらも一生のうち一度も水虫の症状があらわれない人もいるのです。
水虫がかゆくなる理由
では、なぜ水虫はかゆいのでしょう。
白癬菌はカビの一種ですから、活動できる環境が限られています。高温で、多湿な環境になると活発に活動することができますが、湿度が低く寒い時期になると活動することができなくなります。
白癬菌が皮膚の角質層に住み着き、十分な湿度と温度が整うと、角質層のケラチンを餌に白癬菌は活発に活動を始めます。活動を始めた白癬菌は、生命活動の大小として分泌物を出します。また、中には寿命を終えて死んでしまう菌もいます。
皮膚の基底層という場所には、ランゲルハンス細胞という免疫細胞が門番のような働きをしていて、外界から有害物質が侵入しないよう見張っています。
白癬菌の出す分泌物や死骸をランゲルハンス細胞が見つけると、「異物が侵入してきた！」と判断します。すると、リンパ球が異物と闘うためにやってきます。
ランゲルハンス細胞はリンパ球に「敵がやってきた！どうやら白癬菌というやつらしい！」と白癬菌の情報を伝達します。ランゲルハンス細胞から白癬菌の情報を受け取ったリンパ球は、自分が所属するリンパ節に戻って仲間のリンパ球を増やし、白癬菌に対する大量の抗体を作り出します。
リンパ球はたくさんの仲間を従えて再び白癬菌の住処に戻ってきます。そして、リンパ球みんなで協力し、サイトカインという化学物質を作り出します。
サイトカインは表皮の細胞分裂を促進し、表皮のターンオーバーを早め、白癬菌を体の外にふるい落とそうとします。水虫になると皮がぼろぼろと向けてくるのはこのためです。
サイトカインは、白血球を呼び寄せて白癬菌と闘わせます。中には戦いに敗れて死んでいく白血球もいます。白血球は自分が死ぬ前にたんぱく質融解酵素を出します。このたんぱく質融解酵素によって水疱や膿疱ができるのです。
水虫のかゆみは、白癬菌と闘うときの免疫機能によってアレルギー症状が出るために起こります。
水虫はかゆいうちに治せ！
「水虫がかゆくて仕方がない！じゅくじゅくするし！肌はぼろぼろむけてくるし！このままどんどん足が汚くなって行ったらどうしよう！」
はじめて自分の身体に水虫の症状があらわれた時はとても驚いて絶望的な気持ちになるでしょう。
でも、あわてる必要はないのです。
水虫のかゆみなどの症状が起こっているということは、自分の免疫機能がしっかりと働いているということです。
自分の身体がすでに白癬菌と闘っているのですから、薬などを使って自分の免疫機能が働きやすい状態にしてあげればいいのです。
水虫患者さんの多くは、かゆみが起こっている状態を放置し、秋になって水虫の活動が治まってきたことを「水虫が治った」と勘違いしているのです。
水虫の症状が出た時、しっかりと治療をしておかないと、毎年夏になると水虫がぶり返すようになります。
そしていつの間にか慢性化し、治りにくい状態になってしまうのです。
水虫治療で大切なのは、かゆみなどの症状が起こった時にしっかりと時間をかけて水虫を治すことです。足の裏なら最低でも3か月は治療を続け、白癬菌に侵された皮膚がすべて剥がれ落ち、健康な新しい皮膚に生まれ変わるまで続ける必要があります。
