水虫の歴史|水虫っていつからあるの?
水虫と人類との戦いは、いつから始まったのでしょう。原始人の時代からあったのでしょうか?それとも、文明が発達した現代病なのでしょうか?
アフリカの原住民には水虫罹患者はいない!
マサイ族など、アフリカの原住民で、水虫にかかっている人はいないということが分かっています。そして、江戸時代以前の日本にも水虫患者はいませんでした。
アフリカの原住民と、江戸時代までの日本人の共通点はなにかわかりますか?
そうです、「靴」です。
アフリカの原住民は裸足で生活をしています。江戸時代以前に日本人はワラジを履いていました。
人間が水虫に悩むようになったのは、実は靴を履くようになったからです。靴は足の裏を保護し、怪我を予防してくれます。その代り、通気性が悪く雑菌が繁殖しやすい環境をつくってしまいます。
靴の中は、水虫の原因菌である白癬菌が過ごしやすい環境になってしまっているのです。
水虫を発見した人は誰?
世界で水虫を最初に発見したのは日本人ではありません。古くから靴を履く文化のある欧米人が発見しました。
1832年、ノヘッホシェーンライン紫斑病を発見したことで有名なシェーンライン医師は頭皮の皮膚病の中にカビが存在することを発見しました。
1892年からフランスの大学者サブローが皮膚病とカビの関係を研究し、白癬菌が原因となっている皮膚病としっしんやあせもを区別できるようになったのです。
水虫が日本にやってきたのはいつ?
水虫の研究を初めて行った日本人は太田雅夫という人です。1919年、大正時代の頃、白癬菌を培養して研究し、「水虫」という病気を認識することになりました。
しかし、そのころ庶民にとっては靴は上流階級の身に着けるものでした。水虫という病気が脚光を浴びることになったのは、軍国主義の時代からです。
集団生活と、長時間軍靴を履き続ける生活、なおかつとても衛生環境を保つことができない時代でしたから、瞬く間に水虫という病気が広がっていきました。
まだ解明されていない水虫の謎
水虫との戦いが始まってから現在まで、水虫についての研究はどんどん進んでいます。水虫は一度かかると治らない不治の病だと思われていましたが、治療薬が開発されたことで完治させることができる病気に変わりました。
でもまだまだ、分からないことがたくさんあるようです。
- 水虫の症状が手に現れる「手水虫」、足の水虫と同様の症状があらわれるのに、そこにはなぜか白癬菌がいない!
- 水虫は冬になると治まる人が多いけれど、冬の間水虫の原因菌、白癬菌はどこに隠れているのか?
などなど。
白癬菌の研究は進んでいますが、爪水虫を完治させるのはまだまだ難しいようです。
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