水虫の飲み薬は効果があるの?副作用は?
水虫の治療のために皮膚科を受診すると、飲み薬を出されることがあります。「水虫なのに飲み薬?効果あるの?」と思う人も多いでしょう。また、水虫の薬は副作用が多いことが知られていて、「飲み薬なんて飲んで体に悪いのでは?」と心配になる人もいるでしょう。では、水虫の飲み薬の効果と副作用について、解説してみましょう。
水虫の飲み薬ってどんなもの?
水虫の治療に飲み薬が使われるようになったのは意外に古くからで、1958年にグリセオフルビンという薬が開発されたのが最初になります。
当時の水虫の飲み薬は、副作用が起こりやすかったのは確かです。水虫の治療には長期間かかるのですが、副作用を気にせず飲み薬を飲み続けられる人はほんのわずかでした。
そのご、何度か水虫の飲み薬は改良され、現在はイトラコナゾール(イトリゾール)とテルビナフィン(ラミシール)という薬が使われています。
イトラコナゾール(イトリゾール)やテルビナフィンは、胃から吸収された有効成分が血液中へ運ばれ、真皮や表皮を通って角質層に届けられます。イトラコナゾール(イトリゾール)やテルビナフィンの有効成分は角質層のケラチンに対する親和性が高く、長い間角質層にとどまって白癬菌の増殖を抑えてくれるのです。
水虫の飲み薬の飲み方は?
イトラコナゾール(イトリゾール)を1週間続けて内服すると、その成分が角質層にとどまって白癬菌を殺すことができます。ですから、イトラコナゾール(イトリゾール)は1週間続けて服用した後3~4週間服用をやめるという「パルス療法」がよく使われます。
ただ、イトラコナゾール(イトリゾール)のパルス療法は再発率が高いという報告もあります。
テルビナフィン(ラミシール)は「短期療法」で水虫を治すお薬です。
テルビナフィン(ラミシール)を4~5か月続けて飲み、その後は再発しないかどうか経過を観察していくというものです。
服用期間が短期間なので、「薬を飲み続けなければ」という負担感と、経済的な負担を減らすことができます。
水虫の飲み薬の副作用は?
水虫の菌は人間の細胞と構造がよく似ています。そのため、水虫を攻撃しようとすると人間の細胞まで攻撃してしまい、副作用が出やすいのです。
イトラコナゾール(イトリゾール)とテルビナフィン(ラミシール)は、エルゴステロールという真菌の細胞膜の成分の合成を阻害するお薬です。エルゴステロールは人間の細胞膜には含まれていないので、従来の飲み薬のような副作用が起こりにくいのです。
ただし、薬ですから副作用が全くでないということはあり得ません。
イトラコナゾール(イトリゾール)は、2~3割の方に胃の不快感や腹痛という形で副作用があらわれます。また、他の薬と併用すると相互作用で副作用が強く出てしまう可能性があるので注意が必要です。お医者さんに服用を勧められたら、他にも服用しているお薬がある人は、なんというお薬を飲んでいるのかお医者さんに伝えて下さい。
テルビナフィン(ラミシール)は、胃腸障害や薬疹、味覚障害が起こりやすい副作用として報告されています。
どちらのお薬も、長期間服用することになるので、1月に1度は採血をし、肝機能をチェックする必要があります。