糖尿病は水虫にかかりやすく重症化しやすい!切断の原因にも!!
糖尿病の人は、水虫が原因で足に壊疽が起こり、切断を余儀なくされることがあります。糖尿病の人は水虫の感染をできるだけ避けたいのですが、残念ながら糖尿病の人は水虫にかかりやすく、重症化しやすいのです。
糖尿病はなぜ水虫にかかりやすいのか?
糖尿病になると免疫機能が低下します。免疫機能は身体の外部から内部に侵入してきた細菌やウイルスを排除し、身体を外敵から守っています。
免疫機能は、肌の表面にも働いています。白癬菌が皮膚の表面についたとしても、100%感染するわけではありません。白癬菌が皮膚の表面についてから、角質層に入り込み感染が成立するまで24時間ほどかかります。その間に入浴などで洗い流されれば水虫にはかかりません。
しかし、皮膚の表面に白癬菌がついてから長時間立ってしまったり、傷があると白癬菌に感染します。
それでも、100%の人が感染するわけではありません。また、一度感染しても、いつの間にか治ってしまうこともあります。
白癬菌に長い間さらされても感染しないことも、感染してから自然に治ることも、免疫機能の働きによる結果です。
白癬菌は生活空間のいたるところに存在し、常に人間の足を狙っています。免疫機能は常に白癬菌と闘っているのです。
しかし、糖尿病によって免疫機能が低下してしまうと、あらゆる感染症に感染しやすくなってしまいます。水虫も例外ではありません。
糖尿病の水虫はなぜ重症化しやすいのか?
糖尿病の患者さんが水虫にかかると、重症化しやすいことが分かっています。
糖尿病にかかると、末梢の血液循環が悪くなります。足の先や手の先など、身体の隅へ血液が充分に送られないと、手足の体温は低くなります。
実は、低体温の人や末梢血管障害の人、タバコを吸う人は水虫にかかりやすく、重症化しやすいのです。
白癬菌が好む温度環境は、25度前後です。体温はわきの下で計ることが多いと思います。わきの下よりも足の先などの末梢血管の方が体温が低く、低体温の人の足の先の温度がまさに白癬菌が好む25度前後なのです。
白癬菌が増殖しやすい上に、感染力も低下していますから、糖尿病患者さんが白癬菌に感染するとどんどん広がっていきます。
糖尿病の人の水虫はなぜ怖い?
糖尿病い患者さんが水虫にかかると、かゆいだけの話では済まされなくなってしまうのです。
糖尿病患者さんの足に水虫が広がると、免疫力の低下から、二次感染をおこしやすくなってしまいます。細菌感染を起こしてしまい、炎症や化膿してしまうと、末梢の血液循環が滞り、細胞が壊死してしまうのです。
すると、あっという間に足が黒く腐って行く壊疽という状態に陥り、最悪の場合足を切断しなければならなくなってしまいます。
糖尿病患者さんが水虫で足を失わないためにできること
水虫患者さんは、足をいつも清潔に保たなければなりません。免疫機能が低下しているため、小さな傷から細菌感染を起こして重症化してしまうかもしれないからです。
その為にできることは次の通りです。
- 足に傷や異変が無いか毎日観察する
- 足を毎日よく洗う
- 足をよく乾燥させ、清潔を保つ
- 足に合った靴を履く
- 爪は平らにまっすぐに切る
- 足に傷ができたら病院に行く
水虫に感染する前に、バリア機能のある治療用外用薬をつけるのも良い方法です。