爪水虫はどうやって感染するの?
水虫患者さんの30%~40%は爪水虫に感染します。また、爪水虫の感染者は増加傾向にあります。では、爪水虫はどのような経路で感染するのでしょうか?
爪水虫の感染経路
水虫は、足ふきマットなど白癬菌が付着している場所で足の裏に白癬菌をつけてしまい、皮膚から侵入してくることで発症します。
一方、爪水虫は長年白癬菌が住み着いた結果起こる病気です。
白癬菌は、いったん足などに住み着くと、だんだんと住処を広げ足の先端にたどり着きます。
爪は表面は固いのですが、爪の下側は柔らかく、水分も多いので白癬菌にとっては過ごしやすい場所です。その上、爪は白癬菌のえさであるケラチンでできています。
爪の先端や側方から侵入してきた白癬菌は爪の下側に潜り込んで住み着きます。すると、爪の先端が下の方からボロボロと剥がれてくるようになります。
そうなると、足の先がなんだがむずむずして気持ち悪くなります。ボロボロ皮膚のように剥がれる爪が気になり、楊枝や爪きりの先端で削り取ってしまう人も多いようです。
しかし、この削る行為が爪白癬の症状を悪化させてしまうのです。
爪を削っているうちに、健康な爪まで傷つけてしまいます。すると、白癬菌は待ってましたとばかりにその傷口から入り込み、以前よりももっと深い場所まで侵入していくのです。
爪水虫はどんどん爪の根元に向かって広がっていきます。すると、爪が分厚くなって行き、変形していきます。
変形した爪は靴を履いたときに圧迫され痛みを感じるようになります。
そして、爪水虫を放置していると爪全体が黄色っぽく変色し、爪切りでは切れないくらいに厚くなり、ボロボロになってしまいます。
白癬菌の爪への侵入の仕方
爪水虫は、白癬菌の侵入経路によって呼び方が違います。
- 遠位側方向型爪甲下型(DLSO):爪の先端から爪の甲下に白癬菌が入り込むタイプ
- 近位爪甲下型(PSO):甘皮から侵入した白癬菌が爪甲下に入り込むタイプ
- 白色表在型(SWO):爪の表層から白癬菌が入り込む珍しいタイプ
- 全爪甲型(TDO):すべてのタイプが悪化した結果爪全体がボロボロになる状態
爪白癬に移行する白癬菌のほとんどはトリコフィトン・ルブルムという菌です。この菌は人の身体に取り付くのがとても上手な真菌です。
爪水虫や足の裏の水虫になると、知らず知らずのうちに掻いてしまいます。珍しいタイプの白色表在型は水虫を掻いたときに手の爪について起こる、手の爪水虫に多いタイプになります。
爪水虫は治療がとても難しく、昔は「形が悪くなるだけ。治らないから気にしないように。」と言われていた病気です。
爪水虫は爪の中に白癬菌をためこみやすく、再発しやすいのが特徴です。また、爪の表面から内部に薬剤が侵入しにくく、薬の効果を得にくかったのです。
しかし、現在はとても良い治療薬があらわれ、完治もできるようになりました。