爪水虫は完治するのか?完治までの期間は?爪は元に戻るのか?
爪水虫が完治した状態とは、白癬菌の増殖を抑え、白癬菌に侵されていない健康な詰めに生え変わった状態を指します。その期間は大変長く、個人差があります。また、完治したといっても、爪の形が元通りに治るとは限らないのです。
爪水虫が完治するまでの期間
水虫は、皮膚の角質層に住み着いた白癬菌の増殖を抑え込み、皮膚のターンオーバーとともに白癬菌を身体の外に追い出し、健康な皮膚に完全に生え変わるまで治療を続けます。
爪水虫も同じです。爪水虫では、白癬菌が爪の中で増殖します。治療は、爪の中に薬剤を浸透させ、爪の中の白癬菌の働きを封じ込め広がらないようにします。
爪は毎日少しずつ伸びます。
白癬菌に侵されていない爪に完全に生え変わったところで「爪水虫は完治した」ということになります。
では、爪が完全に生え変わるのはどれくらいの時間がかかるのでしょう?
爪が生え変わるまでの期間は、手の爪で6か月、足の爪で12~18か月もかかります。
しかも、爪が伸びるスピードは個人差があります。爪が伸びるスピードが遅い人は、完治までの期間がそれだけ長くなります。
爪水虫の完治を遅らせる要因
では、爪の発育が遅くなり、爪水虫の完治を遅らせる要因にはどんなものがあるでしょう?
- 加齢
- 糖尿病
- 高脂血症
- 膠原病
- 血液疾患
高齢になると爪の栄養を運ぶ血流の量が少なくなり、爪の成長が遅くなってしまいます。爪水虫は50歳を境に急激に罹患者が増えます。高齢者に爪水虫が多くなるのは爪の血流量が減り、爪の成長が遅くなるためです。
糖尿病などの内科疾患にかかっていると免疫力が低下し、白癬菌が住み着きやすくなります。末梢への血流が少なくなるため、爪へ届ける栄養が少なくなり、爪の発育が遅くなります。
高齢と内科疾患は爪水虫にかかりやすく、爪の成長が遅いため治りにくいのです。
完治しても爪の形が戻らない!?
どんなに時間がかかっても、爪が元の状態に戻るのなら、頑張って治療を続けたいと思う人は多いでしょう。しかし、中には白癬菌を完全に爪から追い出しても爪の形が元に戻らない人もいるのです。
爪の形が戻りにくい人は、次のような人です。
- 爪水虫にかかって5年以上経過している人
- 爪が肥厚している人
- 4本以上の爪に爪水虫がある人
- 爪の伸びが遅い人
- 爪をほじくるなどで爪に外傷がある人
- ハイヒールなどで爪が変形している人
- 免疫不全の人(糖尿病・肥満・末梢循環不全)
- 疥癬を合併している人
爪水虫は他の病気と同様に、できるだけ早く治療を始めたほうがよいことが分かりますね。また、内臓の健康は水虫など身体の末端の健康にも影響しています。
糖尿病は生活習慣を改善すると血糖のコントロールも良くなります。肥満も同様に、生活習慣の改善で解消することができます。
生活習慣の見直しと爪水虫の治療を同時に根気よく行うと、爪の形もかなり改善できるかもしれません。