水虫の治療は白癬菌の増殖と肌のターンオーバーとの競争！
水虫の治療は肌のターンオーバーと深い関係があります。白癬菌をいかに封じ込め、白癬菌に侵されない新しい皮膚をつくるのかが水虫治療の成功のカギを握ります。
肌の構造とターンオーバー
肌は人間の臓器の中で唯一外界に触れています。皮膚は内臓を外界の有害物質から守る役割を持っています。
皮膚の構造図をご覧ください。皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造で成り立っています。
皮膚には動脈や静脈が通り、汗腺や脂腺が表皮へと繋がり、毛嚢から毛が生えています。
白癬菌は、この3層からなる皮膚構造体の中で、最も表面にある表皮に住み着く真菌です。
表皮は「基底層」「有棘細胞層」「顆粒層」「角質層」の4層からできています。
表皮のもっとも奥にある基底層では、絶えず細胞分裂が繰り返されています。新しい細胞は古い細胞をどんどん押し上げていきます。古い細胞は肌の表面へ押し出され、やがてアカとなって剥がれ落ちていきます。
最初の細胞が最終的にアカになって剥がれ落ちるまでをターンオーバーのワンサイクルと呼んでいます。基底層から生まれた細胞が顆粒層に到達するまでが2週間、角質層に到達し、最終的にアカになって剥がれ落ちるまでにさらに2週間がかかります。
つまり、一般的に肌のターンオーバーには1か月ほどの時間が必要なのです。
白癬菌の性質と治療方法
白癬菌は、角質層にある「ケラチン」という堅いたんぱく質を餌にしています。ですから、白癬菌は角質層の表面に広がり徐々に根を張るように皮膚の内部にも侵入していきます。
水虫の治療は、白癬菌の増殖を抑え、皮膚のターンオーバーと一緒に白癬菌に侵された皮膚が剥がれ落ちるのを待つしかないのです。
しかし、白癬菌の増殖スピードは速く、時にはターンオーバーのスピードを上回ります。
- 白癬菌の治療に効果的な薬を使い白癬菌の増殖を抑えること。
- 患部を清潔で乾燥した状態に保ち、できるだけ繁殖しにくい環境をつくること。
- 免疫機能を高めて白癬菌が増殖しにくい体内環境をつくること。
- 肌のターンオーバーを助けるため新陳代謝を活発にすること。
この4つが水虫治療のポイントになります。
